【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「すごいね。ほんとに人気あるんだね」


私が感心したように言うと、沙穂ちゃんは興奮したように熱弁し始めた。


「超人気だよ~! だって、神城くんと言えば、超イケメンでスタイル良し、そしてスポーツ万能、そのうえ特進科でも常にトップの成績をキープしてる完璧男子だよ? それに憧れない女子がいると思う!?」


「そ、そっかぁ。すごい人なんだねぇ……」


私の答えに、沙穂ちゃんが「あ、ここに一人いたか」と、呆れ顔でボソッと付け足す。


「もう、もっとリアル男子にも興味持ちなさいよ~っ。身近なところにだって、イケメンはたくさんいるよ? 絶対絶対リアルな恋愛のほうが楽しいんだから!」


「う、うーん……」


そうなのかなぁ。たしかに自分でも、身近な男の子にときめくことができたらいいなとは思うけど、どうしても興味がもてなくて。


それってちょっとまずいのかな?


キャーキャー騒ぐ女の子たちを見ながら、そんなことを考えていた。


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