【完】溺愛したいのは、キミだけ。
目元をこすりながら、イラっとした様子で声をかけてきた神城くん。


だけどその声を聞いた瞬間、心臓がドキッとものすごい音を立てて飛び跳ねた。


え、ウソ……。ちょっと待って。


この声って……。


「アンタのせいでびっしょびしょなんだけど! どうしてくれんの……って、え?」


神城くんは私に向かって怒鳴りつけたかと思うと、なぜか一瞬黙って、それから驚いたように目を見開く。


でも、私はその声を聞いて確信した。


やっぱり、そうだ……。


耳に心地よい、この透き通った低音ボイス。


私が大好きな、あのカケルくんの声にそっくりなんだ!!


信じられない。こんなことってあるの!?


「おい、聞いてんの?」



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