【完】溺愛したいのは、キミだけ。
特進科の彼の教室のロッカーからジャージを持ち出した私は、急いで保健室へと向かう。


――ガラガラッ。


ドアを開け中に入ると、ずぶ濡れのままの神城くんがスマホを片手に持ち、立ったまま待っていた。


どうやら今保健の先生はいないのか、ここには彼一人みたい。


「あの、持ってきました! これ、神城くんのジャージ!」


手渡すと、彼は「サンキュ」と言って受け取ってくれて、その声にまたドキッとしてしまった。


「へっくしゅん!」


すると突然、大きなクシャミをした神城くん。


わわ、まずい。こんな格好のままでいたら、体冷えちゃうよね。


「大丈夫ですかっ!? 早く着替えないと風邪ひいちゃう!」


「あー、そうだな。じゃあさっそく着替えさせてもらうわ」



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