【完】溺愛したいのは、キミだけ。
――ドンッ!


お昼休み、今日もまたいつものように中庭の花壇の手入れをしていたら、すぐ近くでサッカーボールを蹴る音が聞こえてきた。


振り向くと、数人の男子たちがサッカーボールでリフティングをしたり、校舎の壁に蹴りつけたりして遊んでるいる姿が見えて、少しヒヤヒヤしてしまう。


危ないなぁ。お花に当たっちゃったらどうしよう。


こんな場所でボール遊びはやめてほしいんだけどなぁ……。


でも、わざわざ注意する勇気はなくて、黙ったまま黙々とスコップで土を耕していた。


このままここにいて、昼休みの間私がボールからお花を守らなくちゃ。


「あ、またいた」


すると、そんな時すぐ後ろから声がして。ドキッと心臓が跳ねた。


この声は……。


「神城くん!」



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