【完】溺愛したいのは、キミだけ。
突然声を張り上げて、私の体をギュッと抱きしめ、体重をかけてきた。


「キャッ!」


そのまま花壇の前の芝生に向かって押し倒され、仰向けのままドサッと背中がつく。


――ドンッ!


すると次の瞬間、彼の体に何かが当たったような音がした。


……えっ?


なんだろうと思い足元のほうに目をやったら、少し離れた場所にサッカーボールがコロコロと転がっているのが見えて。


そこでようやく何が起こったのかを理解する。


もしかして神城くん、今私にボールがぶつかりそうだったから、かばってくれたの?


私に覆いかぶさっていた神城くんが、そっと体を離し顔を上げる。


「おい、大丈夫か?」


「う、うん。大丈夫……っ」



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