【完】溺愛したいのは、キミだけ。
見上げると、すぐ真上に私をじっと見下ろす彼の顔があって、なんだか急にとても恥ずかしくなった。


わあぁっ。よく考えたらすごい体勢だよね、これ。


どうしよう。めちゃくちゃ近い。そして顔、キレイ……。


「はぁ、よかった」


ホッとしたように息を吐く神城くん。


「か、神城くんこそ、大丈夫っ? 今、ボール当たったよね?」


そうだよ。痛くなかったのかな?


「あぁ、それは全然平気。サッカーボールは慣れてるから」


「えっ」


慣れてる?


そこで神城くんは体を起こすと、近くに落ちていたサッカーボールに目をやって。


すぐその場に立ち上がり、歩いてそのボールを拾いにいった。


私もようやくその場に置きあがる。


すると、向こうから男の子が二人、こちらに向かって駆け寄ってくるのが見えて。


「えっと、ボールボール……あった!」



< 216 / 454 >

この作品をシェア

pagetop