【完】溺愛したいのは、キミだけ。
よく見るとその人たちは、さっきそこでボールを蹴って遊んでいた人だった。


「このボール探してんの?」


神城くんがムッとした顔でその男の子たちに問いかける。


でも彼らはヘラヘラした顔で。


「あー、そうそう。拾ってくれてありがと~」


「いや、ありがとうじゃねぇし。こっちはお前らが蹴ったボールくらったんだよ。危ねぇからこんなとこでボール蹴るんじゃねぇよ」


「えっ、そうなの? すまん……」


「それにここには花とか植えてあるし、窓ガラスもあんだろ。二度とボール持ってくんなよ」


神城くんに説教するように言われて、男の子たちは気まずそうな顔でボールを受け取る。


「わ、わかったよ」


そして、そう答えるとスタスタと逃げるように去っていった。


「はぁ。ったく、非常識な奴らだな」



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