【完】溺愛したいのは、キミだけ。
呆れたように呟く彼を見ながら、ちょっと感激してしまう。


神城くん、注意してくれた。わざわざお花のことまで伝えてくれたし。


さっきは身を挺してボールからかばってくれたし、やっぱりすごくいい人なのかも……。


「あのっ、神城くん」


「ん?」


「ありがとう! さっきは助けてくれて。あと、今も注意してくれて助かりましたっ」


遅ればせながらそこでお礼を言ったら、神城くんは頬を手で掻きながら答えた。


「いやべつに、大したことしてない」


でもそこで彼はふと、ズボン横のポケットに手を突っ込むと。


「……あれ? スマホがない」


「え、ウソ」


どうやらスマホがなくなっちゃったみたいで。


「さっきまでポケット入れてたんだけど」



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