【完】溺愛したいのは、キミだけ。
言われて周りをキョロキョロと見回してみる。


すると、花壇を囲むレンガの上に黒い手帳型のケースに入ったスマホが一台落ちているのが見つかった。


「あ、あそこに落ちてる!」


慌てて駆け寄りそのスマホを拾い上げる。


だけど、そのスマホケースにはどこかのサッカーチームのロゴマーク柄のアクリルキーホルダーがぶら下がっていて、よく見るとそれにパキッとヒビが入っているみたいで。


「わっ、ウソ……」


もしかしてこれ、落ちた時レンガにぶつかった衝撃でヒビが入っちゃったとか?


たぶんだけど、ここに落ちてるってことは、さっき私をかばった時に落ちたんだよね?


念のためケースを開いてみると、中のスマホの画面は無事みたいだった。


でも、これは謝らないと……。


「うわ、いつの間に吹っ飛んでたんだ、スマホ」



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