【完】溺愛したいのは、キミだけ。
だけど、次の瞬間彼の口から飛び出してきたのは、思いもよらないセリフだった。


「すっげぇ可愛いじゃん。涼川って、そういうカッコも似合うんだな」


えっ……?


ウソでしょ。可愛い? 似合ってる?


翠くん、本気で言ってるのかな?


「あ、ありがとう……」


ドキドキしながら小声で礼を言う。


すると、翠くんは笑顔で片手を差し出してきて。


「俺にもそのクッキー、1個ちょーだい」


「あ、はいっ。どうぞ」


慌てて手に持っていたカゴから、クッキーの袋を一つ取り出して手渡す。


「サンキュ」


その時、思わず彼にお願いしてしまった。


「あ、あのっ、できればこのこと、クラスの人には言わないでもらえませんか?」


「え?」


「キャンペーンガール……やってたこと」



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