【完】溺愛したいのは、キミだけ。
でも、うちの学校は科が違うとほとんど関わりがないため、特進科の俺と普通科の彼女は、普段まるで接点がない。


あるとしたら、たまに廊下や学食ですれ違うくらいだ。


元から俺はあまり自分から女子と絡むほうじゃないし、どちらかというと苦手だし。


わざわざ用もないのに普通科まで行って話しかけるとか、そんな積極的なことができるわけもなく、たまに会えたらラッキーくらいに思っていた。


そんなある日のことだ。


たまたま先生に進路のことで呼ばれて職員室で話をした後、教室に戻ろうと近道である中庭を横切ったら、運悪くそこで花の水やりをしていた女子にホースの水をぶっかけられた。


最悪……そう思ったのもつかの間、顔を見てビックリする。


誰かと思えばその子は、あの時一目惚れした彼女だった。


よりによって、こんな形でまた関わることになるなんて。



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