【完】溺愛したいのは、キミだけ。
あらためてちゃんと話してみたら、彼女は相変わらずニコニコしていて可愛くて、やっぱりとてもいい子だった。


でも、思っていた以上に発言が天然っぽいというか、ちょっと変わってるところもあって。


なぜか俺の声を聞いて、好きな声優にそっくりだとか言ってはしゃぎ始めた時はポカンとしてしまった。


声優オタクってことなんだろうか。


どうやらそのカケルとかなんとかいう声優のことが、相当好きらしい。


今まで女子から容姿に興味を持たれることはあっても、声に興味を持たれたのなんて初めてだ。


実際俺自身のことはどうでも良さそうだし。


でも、まったく興味を持ってもらえないよりはマシなのかもしれない。


俺に興味はなくても、彼女は俺の声が好き――。


ある意味、これも何かの運命なんじゃないかって。


今まで全然接点がなかった彼女と、仲良くなれるチャンスなのかもしれない。


俺の声を聞いて、顔を赤くしながら照れる彼女を見て、そう思った。



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