【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そんな私を見て、翠くんが不思議そうな顔で聞いてくる。


「なんで?」


「だ、だって、恥ずかしいから……」


すると翠くんは、突然意地悪な笑みを浮かべたかと思うと。


「えーっ、どうしよっかな~」


「えぇっ!」


私が困った顔をすると、彼はまたクスクスと楽しそうに笑う。


「あははっ。ウソウソ、言わねぇよ」


な、なんだ。よかった。


そこでなぜか、ギュッと私の手首を掴んできた翠くん。


「じゃあこれは、俺たちだけのヒミツってことにしとく?」


「えっ……?」


ひ、ヒミツ? なにそれ。


そっと私の耳元に顔を寄せ、翠くんが小声でささやく。


「涼川の可愛いカッコ見ちゃったの、俺だけだったらいいなって思っただけ」


「……っ」



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