【完】溺愛したいのは、キミだけ。
なんて、目の前で手を合わせながら憧れるように言ったら、玲くんはテーブルに頬杖をつきながらじっとこちらを見てきた。


「ふーん。女子ってやっぱ、そういうのに憧れるもん?」


「うんっ。私ね、死ぬまでに一度はされてみたい理想の告白があってね。ひざまずいてバラの花束を差し出して、『俺のすべてを君に捧げます』って言われてみたいの」


そう。実は私、花束には前から強い憧れがあって。


「えっ……。それ、なんのドラマ?」


「ドラマじゃなくって、カケルくんがミュージカルの役でやってたの! 愛の告白のシーンで!」


思わず目を輝かせながら熱く語ったら、玲くんは苦笑いをした。


「……はは、マジかよ。でも現実には絶対そんなことやる奴いねぇだろ。そんな恥ずかしい告白」


は、恥ずかしい?


私的には最高にロマンチックで素敵な告白だと思ってたんだけど。


「そ、そうかなぁ……」



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