【完】溺愛したいのは、キミだけ。
私が目をキラキラと輝かせながら確認したら、玲くんはケロッとした顔で頷いた。


「いいよ。俺、早起き慣れてるし」


「わあぁ、ありがとうっ。とっても助かる! それなら私、絶対起きられる気がしてきた!」


「はは、絶対起きろよ。じゃあさ、連絡先教えて」


「うんっ」


言われるがまま、メッセージアプリのQRコードを彼に見せる。


そしたら玲くんはすぐに登録してくれて、彼の連絡先も同時に教えてくれた。


「ありがとう、玲くん」


重ねてお礼を言ったら、玲くんはフッと優しく笑って、私の頭の上にポンと片手を置く。


「じゃあ明日、さっそくかけるから。ちゃんと起きろよ、琴梨」


「……っ」


その瞬間、なぜか胸がトクンと高鳴った。


やだ、私ったら変なの。また玲くんに少しときめいてしまった。


これはただ、玲くんの声がカケルくんに似てるからなのかな。それとも……。


いやいや、何考えてるんだろう、私。


だけど、今日一日で玲くんのイメージがまた変わったというか、彼がさらにちょっと特別な存在になったことだけは、確かだった。


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