【完】溺愛したいのは、キミだけ。

*優しくするに決まってんだろ

――~♪


近くで電話の着信音が鳴り響いている。


無意識にスマホを手に取り、画面をタップして耳に当てる。


するとスピーカーの向こうから、耳に心地良い低音ボイスが聞こえてきた。


『もしもし、琴梨?』


「んぅ……」


『おい、寝ぼけてんのかよ。起きろよ』


この声は、カケルくんかな。もう朝?


でもなんか、いつもの目覚ましボイスとはちょっと違う気がするんだけど。


『約束通り電話したんだけど』


「え、カケルくん……?」


『アホ、俺だよ。玲だよ』


「ん? 玲くん?」


『そうだよ』


あれ? どうして……?



< 249 / 454 >

この作品をシェア

pagetop