【完】溺愛したいのは、キミだけ。
目が合った瞬間声をかけられて、意味もなくドキッとする。


「玲くんっ」


「職員室、用あったの?」


「あ、うん。進路希望票を提出するの忘れてて」


「あー、あれか」


そのまま自然と隣に並んで歩きだす。


「志望大学まだ迷ってて、なかなか書けなくて……。玲くんは進路ってもう決めてる?」


何気なく尋ねたら、玲くんは迷わず答えた。


「あぁ、うん。俺は医学部受ける予定」


「へっ、医学部!?」


ちょ、ちょっと待って。医学部って、すごすぎて……。


でもそっか、よく考えたら玲くんって特進科トップレベルの成績なんだもんね。


「うち、親が医者で、俺もずっと医者になりたいと思ってたから」


「そ、そうなんだ。すごいね」


なんだか急に彼が雲の上の人に見えてきたよ。


玲くんは、将来の夢のためにちゃんと頑張ってるんだ。



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