【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「お疲れ様でしたー!」


無事に一日キャンペーンガールの仕事を終えた私たちは、その後私服に着替え、バイト代と一緒にたくさんのお菓子をもらって、それからスタッフの人たちに挨拶をしてその場をあとにした。


「ありがとうございました!」


美羽と二人、紙袋に入ったたくさんのお菓子を、うっとりした表情で眺める。


「やったぁ! エンジェルスイーツのお菓子いっぱいもらっちゃった~」


「ね、こんなにもらえるなんてビックリ」


「ふふ。ヒナちゃんもこのバイトやってよかったって思ったでしょ?」


「うん。あの格好はちょっと恥ずかしかったけど、楽しかった」


その瞬間、ふと翠くんに会ったことを思いだす。


話したのは少しだけだったけど、思い返すとまだドキドキしちゃうな。


するとそこで美羽が、思いついたようにカバンからスマホを取り出して言った。


「あっ、ごめん! 私、このあと颯希(さつき)と約束してるんだ。だから、お姉ちゃん先に帰ってていいよ」



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