【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そう言って彼の前にスプーンですくったかき氷を差し出す。


そしたら玲くんは一瞬戸惑ったような顔をしたけれど、すぐにぱくっと口にしてくれた。


「あ、たしかにスイカの味」


「ふふふ。でしょ?」


すると玲くん、今度は自分のブルーハワイのかき氷をすくって。


「琴梨も食う?」


「うん!」


頷いた私の口元へと運んでくれる。


「はい」


ぱくっと一口食べたら、爽やかなラムネのような味がして、これもまたすごく美味しかった。


「おいしいっ」


「よかった」


「ブルーハワイってたしか、舌が青くなるんだよね?」


「そう。妖怪みたいになる」


「ふふ。妖怪みたいな玲くん見てみたい」



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