【完】溺愛したいのは、キミだけ。
逃げたいけど、逃げられない。どうしたらいいのかな。


そしたらその時横からサッと誰かの手が伸びてきて、その男の腕をガシッと捕まえた。


「離せよ」


その聞き覚えのある声にドキッとして振り向くと、そこに立っていたのは玲くんで。


「れ、玲くんっ!」


ウソ。いつの間に……。来てくれたの?


男の腕を掴んだまま、彼らを怖い顔でじっと睨む玲くん。


「こいつに気安く触んないでくれる? 俺のだから」


思いがけない言葉に、心臓がドキンと音を立てて飛び跳ねた。


ど、どうしよう。玲くんが、助けてくれた。


しかも今、『俺のだから』って言ったよね?


それを聞いた瞬間、男は私からパッと手を離す。


「えっ、マジで彼氏いたのかよ」


「くそ、イケメンだし……」


「はー、なんだ。つまんねぇな~。行こうぜ」



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