【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そう言い放った途端、私の背中に腕を回し、ギュッと抱きしめ返してくる玲くん。


――ドキン。


「もう離してやんないから」


「……っ、れ、玲くんっ?」


どうしよう。なんかまた、抱きしめられちゃった?


しかも、離してやんないって、なんで……。


私を閉じ込める玲くんの腕の力が強くて、急に恥ずかしくなってくる。


ドキドキして、体が熱い。


でもなんだろう。玲くんの腕の中は不思議と居心地が良くて。


男の子なのに、こんなふうにくっついてても全然嫌じゃないんだ。


どこかホッとして、落ち着くような気がするというか。


どうしてなのかな……。


「おーい! 玲先輩~!」



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