【完】溺愛したいのは、キミだけ。
するとその時、向こう側から翠くんが玲くんのことを呼ぶ声が聞こえてきた。


ビクッとして、お互い瞬時にバッと体を離す。


「あれ?」


その声に振り返ると、すぐ横に、手を繋いだ翠くんと雛乃二人の姿があって。


目が合った瞬間、翠くんがニヤッと不敵な笑みを浮かべた。


「あぁ、ごめん。もしかして俺ら、お邪魔だった?」


「そ、そんなことないよっ」


「だって、二人とも顔真っ赤だよ」


「えぇっ!」


ど、どうしよう。もしかして今の、見られてたのかな?


「なんだよ。俺に用だった?」


少し気まずそうな顔で玲くんが問いかける。


すると、翠くんはニヤニヤ笑ったままで。


「いや、やっぱなんもないっす。ヒナ、いこっか」


「う、うん」


「ごゆっくり~」



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