【完】溺愛したいのは、キミだけ。
そう言って謝る玲くんは、額に汗をにじませ、少し息を切らしている。


その様子からして、急いで来てくれたみたい。


しかもなんだろう、片手を後ろに隠してるけど……何か持ってるのかな?


それがちょっとだけ気になった。


「ううん、大丈夫だよ。暑い中会いに来てくれてありがとう」


とりあえず、昨日のことを謝ろうと思い、切り出す。


「あの、さっきも言ったけど、昨日はごめんね。勝手に帰っちゃって」


「あぁ、別にいいよ。俺も悪かったし」


「え、えっと、話したいことっていうのは……」


おそるおそる聞いてみる。


そしたら玲くんは、手を後ろに隠したまま、少し照れくさそうな顔で答えた。


「昨日のこと。誤解されてるみたいだから言っとこうと思って」


「えっ」



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