【完】溺愛したいのは、キミだけ。
誤解?


それってまさか……。


「俺、話したよな。去年の夏、電車の中でのど飴くれた子がいて、その子に一目ぼれしたって話」


「う、うん」


「あれ、琴梨のことだからな」


「……っ」


聞いた瞬間、ドキッと心臓が跳ねて、胸の奥がじわっと熱くなった。


ウソ、どうしよう……。


心の底からホッとして、ちょっとだけ泣きそうになる。


じゃあやっぱり、私があの時のど飴をあげた男の子は、玲くんだったんだ。


私がそのことをすっかり忘れていただけで……。



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