【完】溺愛したいのは、キミだけ。
ということは、他に好きな子がいるっていうのも私の勘違いで、玲くんは最初から、私のことを知ってたってことなんだよね?


一年も前からずっと、私のことを想っててくれたってこと……?


なんだか信じられないよ。


「琴梨もそのこと覚えてると思って話したんだけど、逆に勘違いされたみたいだったな」


そう言われて、あらためて申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


私ったら本当にバカだなぁ。


勝手に勘違いしてショックを受けて、八つ当たりみたいな態度をとってしまって。


「ご、ごめんねっ。私、すっかり忘れてて。でもね、さっきちょうど思い出したの、のど飴のこと。そういえば以前電車の中で、咳してる男の子にあげたことがあったなって……。あれ、玲くんだったんだね」


「ふっ、忘れてんじゃねーよ。こっちはずっと忘れらんなかったのに」


「うぅ、ほんとにごめんね」


あぁもう、なんですぐに思い出せなかったんだろう。


でも、つまりこれって、そういうことだよね?


玲くんが昨日話してた好きな子っていうのは、つまり……。



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