【完】溺愛したいのは、キミだけ。
すかさず俺も仕返しでTシャツの上から美羽の脇腹の辺りをくすぐったら、美羽が笑いながら体をよじった。


「ひゃあっ! もう、颯希のエッチ!」


「お前が先にくすぐってきたんじゃん」


「だって、颯希くすぐると面白いんだもん」


完全に小学生の頃のノリのまま。


でもたぶん、ドキドキしてるのは俺だけ。


美羽は俺に平気で触ってくるけど、俺は美羽に触るたびにいちいちドキドキしてんの、わかってんのかな。


さっきから美羽の髪のシャンプーの甘い匂いが漂ってくるし、これ以上じゃれ合ってたら色々ヤバいんだけど。


「もう俺、朝早いから寝るぞ。おやすみ」


そう言って美羽の頭をポンと叩く。


そしたら美羽はうなずいて。


「うん、おやすみ」


そのまま目を閉じて寝ようと思ったら、今度はまた腕をツンツンと指でつつかれた。


「なんだよ」



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