【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「なんでお前、俺のことは見ないの? こんなにずっとそばにいんのに」


耳元で、切なそうな声で呟く彼。


「言っとくけど、そいつなんかより俺のほうがずっと、美羽のこと好きだから」


そう告げられた瞬間、心臓がまたドクンと飛び跳ねた。


「えっ……?」


ウソ。ウソでしょ。


颯希が、私のことを好き?


そんな……。本当なの?


「ウソ……っ」


「ウソじゃねぇよ。なんで全然気づかないんだよ」


「だ、だって……」


私たちって、幼なじみだよね?


「俺はずっと、美羽のこと好きだったよ。ガキの頃から、ずっと」


颯希がそう言って、腕にギュッと力を込める。


ますます鼓動が早くなって、胸が苦しいくらいだ。


「他の奴になんて、渡すかよ」


「……っ」



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