【完】溺愛したいのは、キミだけ。
その日の帰りは結局、部活がミーティングだけだった颯希と一緒に帰ることになった。


正直ちょっと気まずいし照れくさかったけど、颯希が「一緒に帰ろう」って言ってくれたから。


今までもずっと一緒に帰ってたし、告られたからって避けるのも、なんか変だもんね。


「ねぇ颯希」


隣を歩く颯希に、さりげなく聞いてみる。


「あのぐちゃぐちゃのケーキ、私が作ったやつだってわかってて食べたの?」


今日の家庭科で作ったケーキのこと。


そしたら颯希はこちらを振り向くと、コクリと頷いた。


「うん。美羽の料理はまぁ、見慣れてるし。一発で分かったよ」


「う……だよね」


やっぱり。さすが颯希。



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