【完】溺愛したいのは、キミだけ。
好きな子だなんて言われたら、ますます照れてしまう。


そしたらその瞬間、颯希がそっと私の髪に触れて。


じっと顔を覗きこまれる。


「言っとくけど、俺が見たいのは、美羽のだけだから」


「……っ」


思いがけない彼の言葉に、かぁっと顔が熱くなった。


そんなストレートに言われたら、恥ずかしいよ。


「み、みんなに聞こえるからっ!」


慌てて颯希の口をふさごうと手を伸ばす。


だけど、笑いながらよけられて。


「いいよべつに。俺は平気」


「よくないよっ」


颯希ったら、いつからそんなに大胆になっちゃったんだろう。


最近の彼は、恥ずかしいことを平気で口にするし、分かりやすく好きっぽい態度をとってくるから、一緒にいるとドキドキさせられてばっかりなんだ。


今までは、こんなふうに颯希にドキドキしたことなんてなかったのに。どうしてなんだろう……。


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