【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「あ、ありがとうございますっ」


「みんなも涼川を見習うように!」


みんなの視線が一気に自分に集まって、なんとも言えない照れくさい気持ちになる。


――キーンコーンカーンコーン。


そこでちょうど授業終わりのチャイムが鳴って、休み時間に入った。


……はぁ、ビックリした。まさか、みんなの前で武藤先生に褒めてもらえるなんて。


勉強だけは真面目に頑張っててよかったなぁ。


そんなことを思いながら、席を立ち、黒板を消すため教卓のほうへと歩いていく。


今日は日直の当番なんだ。


すると、ちょうど黒板の近くまで来たところで、教卓の前で武藤先生と翠くんが話している姿が見えて、その会話がこちらまで聞こえてきた。


「おい都築、今日は部活休みなんだから、帰ってちゃんと勉強しろよ」


「ハイハイ。わかってますよ」


さすが、サッカー部員と顧問だからなのか、仲良さげな様子の二人。



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