【完】溺愛したいのは、キミだけ。
すると次の瞬間、翠くんがふとシャーペンから手を離したかと思うと、両手を伸ばしグーンと伸びをして。


それから何を思ったのか、突然私の肩にもたれかかってきた。


「はー、疲れた。ちょっと休憩」


――ドキッ。


えっ、翠くん? 急に何して……。


「なんか、涼川といると、すげー落ち着く」


その言葉で、ますます胸の鼓動が加速する。


落ち着くだなんて、嬉しいかも。


「……そ、そうかな。ありがとう」


「うん。居心地よくて、このまま寝れそう」


「えぇっ?」


「寝てもいい?」


ちょ、ちょっと待って。本気で言ってるのかな?


「い、いいけど……。でも、勉強は……」


そしたら翠くんはそこで頭を持ち上げ身を離すと、こちらを向いて噴き出すように笑った。


「ぷっ、冗談だよ。『いいけど』って、涼川お人好しすぎだろ」



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