【完】溺愛したいのは、キミだけ。
な、なんだ。ビックリした。


やだ私、真に受けちゃったよ。


そのまま私の顔をじっと見つめてくる翠くん。


「でも実は俺、前からずっと話してみたいと思ってたんだよね」


「えっ?」


話してみたいと思ってたって、私と?


「涼川ってさ、いつも先生の手伝い頼まれたりとか、人の掃除当番代わってあげたりとかしてたじゃん。しかも、文句も言わずに一生懸命やっててさ」


翠くんの言葉に驚いて目を見開く。


ウソ……。そんなの、見ててくれたの?


「お人好しだなーって いい子そうだなって思ってたよ。ほんとにいい子だったけど」


どうしよう。そんなふうに言われたらすごく照れるよ。


「そ、そんなこと、ないよっ」

 
「あるじゃん。今もこうやって俺の勉強付き合ってくれてるし」


「そ、それは……っ、少しでも翠くんの力になりたかったというか……」


あれ? 私ったらなに正直に話してるんだろう。


すると翠くんは、一瞬目を丸くして、それからはにかむように笑った。


「すげー嬉しいこと言うね」


「えっ」



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