【完】溺愛したいのは、キミだけ。
*全部、キミのせい【翠side】
「なんだ都築お前、やればできるじゃないか」
数学教師であり、サッカー部顧問の武藤がそう言って俺の肩をトンと叩く。
受け取ったのは、先日行われた数学の小テストの答案。
数学が大の苦手でしょっちゅう赤点ばっかり取ってた俺だけど、今回は奇跡的に赤点を免れた。
しかも、60点も取れるなんて俺にしてはだいぶいい点数だと思う。
「まぁ俺、やればできる子なんで」
なんて、余裕があったわけでもないのに、調子に乗って答えたら、武藤はちょっと嬉しそうな顔で笑っていた。
「その調子で部活も勉強も頑張れよ!」
「はーい」
――キーンコーンカーンコーン。
授業終わりのチャイムが鳴って、俺はカバンの中から今朝コンビニで買った昼飯のおにぎりとパンが入った袋を取り出す。
そして、後ろの席のほうへ向かおうとしたら、親友の瑛士(えいじ)に声をかけられた。
「おい翠」
こいつとは同じサッカー部で、二年間同じクラスだし気も合うから、いつも一緒につるんでる。
「あぁ、瑛士」
「昼飯行こうぜー」
数学教師であり、サッカー部顧問の武藤がそう言って俺の肩をトンと叩く。
受け取ったのは、先日行われた数学の小テストの答案。
数学が大の苦手でしょっちゅう赤点ばっかり取ってた俺だけど、今回は奇跡的に赤点を免れた。
しかも、60点も取れるなんて俺にしてはだいぶいい点数だと思う。
「まぁ俺、やればできる子なんで」
なんて、余裕があったわけでもないのに、調子に乗って答えたら、武藤はちょっと嬉しそうな顔で笑っていた。
「その調子で部活も勉強も頑張れよ!」
「はーい」
――キーンコーンカーンコーン。
授業終わりのチャイムが鳴って、俺はカバンの中から今朝コンビニで買った昼飯のおにぎりとパンが入った袋を取り出す。
そして、後ろの席のほうへ向かおうとしたら、親友の瑛士(えいじ)に声をかけられた。
「おい翠」
こいつとは同じサッカー部で、二年間同じクラスだし気も合うから、いつも一緒につるんでる。
「あぁ、瑛士」
「昼飯行こうぜー」