【完】溺愛したいのは、キミだけ。
翠くんの胸にピタッと自分の耳がくっつく。


「ほら。俺の心臓の音、聞こえる?」


……ウソ。ほんとにドキドキいってる。


「う、うん……」


というか、どうしよう。なにこの体勢。


抱きしめられてるみたいで、めちゃくちゃ恥ずかしいよ。


「ヒナのせいでこうなってんだよ。どうしてくれんの?」


「なっ……!」


なにそれ。私のせいなの?


そんなこと言われたら、こんなふうにされたら、勘違いしてしまいそう。


翠くんは、私なんかにドキドキしてくれてるってこと?


どうしてなのかな……?


嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが合わさって、私の心臓のほうがどうにかなりそうだった。


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