【完】溺愛したいのは、キミだけ。
なんて説明すればいいのかな。誤解されちゃうかな。


そしたらそこで、すかさず私の肩をひょいと抱き寄せてきた翠くん。


「そう。デートしてんの」


彼が人前でそんなふうに言うなんて思わなかったので、ドキッとしてしまった。


それを聞いて颯希くんがギョッとした顔をする。


「えっ、もしや翠先輩って、雛乃ちゃんと付き合ってたんですか?」


「いや、付き合ってはないけど」


でもそこは翠くん、サラッと否定。


「っていうか、“雛乃ちゃん”って……。ヒナ、颯希と知り合いだったの?」


翠くんに聞かれて説明する。


「あ、うん。えっと、颯希くんはうちのお隣さんで、子供の頃からの幼なじみなの。それで、この子が私の妹の美羽で、颯希くんと同級生で……」


「マジかよ。そーいう繋がりだったんだ。なんだ颯希、早く言えよ」


そう言って颯希くんの肩をバシンと叩く翠くん。


「えっ、俺っすか!?」


じゃれ合ってるみたいな二人は、すごく仲がよさそう。


そしたらそこで美羽がすかさず翠くんに笑顔で声をかけた。



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