【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「どうも、初めまして~! 妹の美羽って言います」


「どーも、都築です。ヒナとは同クラで、颯希のサッカー部の先輩です」


「あはは。知ってまーす! 超イケメンサッカー部エースの翠先輩ですよね? 一年女子の間でも有名ですよ~」


それにしても美羽、初対面の先輩相手でも臆することなく、こんなふうにフレンドリーに話せるなんて、さすがだなぁ。


「はは、マジで? ずいぶん俺評判いいじゃん。へぇー、君がヒナの妹か。あんま似てないんだね」


「あ、やっぱり? よく言われるんですよ~」


「っていうか、二人は付き合ってないの?」


そこで翠くんが美羽たちにさりげなく質問した瞬間、颯希くんの顔がポッと赤くなった。


「え! いや、俺らは……っ」


「あははっ。違いますよ~。ただの幼なじみです」


でもそこを、美羽はすかさずバッサリと否定。


「そっか。なーんだ」


美羽はいつも颯希くんとの関係を聞かれるとそうやって否定するんだけど、私から見ると二人はすごくお似合いなのになぁ。


ちょっとシュンとしたような顔をする颯希くんの横で、美羽が私にキラキラした目を向けてくる。


「いやーでも、ヒナちゃんがあの翠先輩と仲良かったなんて知らなかった~。ほんとビックリ!」


「え、そんな意外?」



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