【完】溺愛したいのは、キミだけ。
翌日。言われたとおり美羽にメイクをしてもらって登校したら、教室に入ったとたん、またクラスメイト達からジロジロと驚いたような目で見られた。


みんな、私がいつもと違うって分かるんだ。


どうしよう。変だったかな……。


美羽はメイクしたほうが絶対可愛いって言ってくれたけど、やっぱり自信がない。


そのまま自分の席について、カバンから出した教科書をしまう。


すると、いつものように江奈ちゃんが私の席までやって来て、私の顔を見るなりニヤニヤしながら聞いてきた。


「おはよー! あらあら、どういう心境の変化なのかな~? 雛乃ちゃん?」


「あ、江奈ちゃん、おはようっ」


「急にメイクなんかして、ますます可愛くなってるじゃん! これはやっぱりアレ? 翠くんの影響なの?」


「……っ!」


ちょっと待って。江奈ちゃんまでそんなこと。


その通りと言えばその通りだけど、恥ずかしくて言えないよ。


「いや、美羽がメイクしたほうがいいよって言うから……」


「ふーん、なるほどねぇ。でもさっきそこにいた男子たちがみんな雛乃のこと見て可愛いって騒いでたよ」


「えぇっ! ウソッ」


男子たちが私の話を?



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