【完】溺愛したいのは、キミだけ。
私の顔を見た途端、目を丸くする翠くん。


「……ヒナ、化粧した?」


――ドキ。


やっぱり気づかれちゃった。翠くん、どう思ったかな。


「う、うん。これはその、美羽がしてくれたんだけど……」


すると彼はしばらく私のほうをじーっと見つめてきたかと思うと、突然顔に片手を当て、はぁっとため息をついた。


えっ……。


ど、どうしよう! 変だったかな?


「やっぱり、変だよねっ! 似合わないよね……」


「違う。そういう意味じゃない」


翠くんがもう片方の手を伸ばし、私の手をギュッと握る。


「可愛すぎて、リアクションに困るじゃん」


「なっ……」



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