【完】溺愛したいのは、キミだけ。
私が緊張しながら答えたら、倉田くんは私の顔をじっと覗き込んできた。


「涼川さん、なんか最近イメージ変わったよね」


「そ、そう?」


「うん。すごく可愛くなった。その髪型も似合ってるし」


「えっ……」


ただでさえ普段他の男の子とはあまり話さないのに、不意打ちで褒められたらなんだか照れてしまう。


するとそこで倉田くん、ポケットからスマホを取り出して。


「あ、そうだ。よかったら連絡先交換してもらってもいいかな? ほら、こうやって隣の席になったのも何かの縁だしさ」


ウソ。連絡先聞かれちゃった。


クラスの男子の連絡先なんて、私、この前翠くんに教えてもらったばっかりで、他の人のは全然知らなかったから。


でも、連絡先くらいみんな交換しあってるものなのかな。


「あ、うん。いいよ」


頷いたら、倉田くんはさっそく私のコードを読み取って、登録してくれた。


「あとでメッセージ送るね」


「あ、うん。ありがとう」


そしてサッと右手を差し出すと、握手を求めてきて。


「仲良くしてね」


その笑顔につられるようにして、彼の手を握り返した。


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