【完】溺愛したいのは、キミだけ。
お昼休みは、今日もまた翠くんと一緒だった。


最近週に何度か翠くんに誘われて、この社会科準備室で二人でお昼ご飯を食べている。


最近翠くんと二人きりで過ごす時間が一気に増えて、夢みたいだなと思う反面、どこかでもっと一緒にいたいなんて思っている自分がいたりして。


私ったら、いつの間にそんな欲張りになったんだろう。


「あー最悪。一番前とか授業中寝れねぇじゃん」


食べ終わった後、座ったまま二人で色々話していたら、ちょうど先ほど行われた席替えの話になった。


翠くんはなんと、教卓の真ん前の席になってしまったみたいで、ちょっと凹んでるみたい。


「あはは。たしかに、一番前は嫌だよね」


「ヒナは隣の席誰だった?」


「私は、倉田くんだったよ」


「あー、あいつか」


「翠くんは?」


私が同じように尋ねると、翠くんはこちらを向いて。


「俺は篠原(しのはら)の隣だった。ヒナの隣だったら寝てても起こしてもらえたのに」


イタズラっぽく笑って口にする。



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