【完】溺愛したいのは、キミだけ。

「えっ、私？」


「そう。ヒナが耳元で名前呼んでくれたら起きる」


「えぇっ、なにそれ。耳元では恥ずかしいよ」


――ピコン♪


そしたらその時、床に置いていた私のスマホが音を立てた。


見ると、画面にはメッセージの通知欄に『倉田祐樹』との文字が。


そういえばさっき、倉田くんがあとでメッセージ送るって言ってたけど、さっそく送ってくれたんだ。


それを見て翠くんがひどく驚いた顔をする。


「えっ。ヒナって倉田の連絡先知ってんの？」


「あ、うん。さっき倉田くんに交換しようって言われて」


「ふーん……」


聞いた瞬間、なぜかちょっと不服そうな顔になる彼。


「もしかしてそれ、狙われてんじゃねーの？」


「なっ……」