【完】溺愛したいのは、キミだけ。
思いがけないことを言われてビックリした。


「いや、そんなわけないと思うよっ。倉田くんはただ、隣の席だから仲よくしようって言って……」


そしたら言い終わる前に、翠くんが私の片手をギュッと握った。


「いや、仲良くとか、しなくていいから」


「えっ」


しなくていい? なんでそんなこと……。


ドキッとして翠くんの顔を見上げると、彼はなぜか困ったような顔でため息をつく。


「はぁ。ヒナってやっぱ、危なっかしいよな」


その表情はやっぱりどこか不機嫌そうで、戸惑ってしまう。


「……だから、俺だけでいいって言ったのに」


続けて独り言のようにボソッと呟いた彼。


なんだろう。なんか今日の翠くん、意味深な発言ばかりのような……。


どういう意味なのかすごく気になったけれど、なんとなく聞くことができなかった。


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