【完】溺愛したいのは、キミだけ。
「なになに、雛乃って、倉田くんと本の貸し借りとかする仲だったの!?」


「あ、いや、私が読みたかった本をちょうど倉田くんが持ってて、貸してくれるって言うから」


「へぇー。雛乃ったら、モテモテじゃん。雛乃も本好きだもんね。隣の席同士、気が合うみたいでいいね~」


ニヤニヤしてる江奈ちゃんは、なんだかちょっと楽しそう。


「えぇっ。いや、モテてるとかじゃないよっ。今のはただ、本を貸してもらっただけで」


「そう? 倉田くんもなんか雛乃に気がありそうじゃん。雛乃ったら翠くんにも気に入られてるのに、やるね~」


「いやいや、それはちょっと言い過ぎだよっ。向こうは絶対そんなつもりはないと思う」


「どうかな~? 私には気があるようにしか見えないんだけど」


そんなふうに言われたら、変に意識してしまう。


そういえば、この前翠くんに、倉田くんと仲良くしなくていいみたいに言われたけど、あれはなんだったのかな。


あの時の翠くん、少し不機嫌だったような気がした。


もしかして倉田くんのこと、良く思ってないのかな……?


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