平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
散歩で獣騎士達と遭遇してから四日目。リズは午前中の幼獣達の世話を終えたところで、カルロの日光浴がてら、休憩して芝生の上に座り込んでいた。

引き寄せた足に頬杖をついて、空を流れていく雲をぼうっと眺めている。そのジューシーな果実を思わせる赤紫色(グレープガーネット)の目に、青空が映っていた。

リズの柔らかな春色の髪を、優しい風が揺らしていった。

「春の風ねぇ……」

そよそよと吹き抜けていく風の音が聞こえる。それくらい、今の早い時間も獣騎士や相棒獣の相当数が、敷地から外に出ているのが分かった。

カルロは隣で楽に座っていて、優雅な白い毛並みを風に揺らしている。

本来なら、こうして相棒騎士と休んで座ったりするのだろう。

そんなことをぼんやり考えていたリズは、そこでハタと気付いた。あ、と頬杖をやめた彼女を、なんだよと言わんばかりにカルロが顰め面で見やる。

「…………そもそも相棒獣って、いつ、どうやってなれるのかしら?」

ふと、どれくらい教育すれば相棒獣になれるのか疑問を覚えた。

隣のカルロに視線を返したら、ますます顔を顰められてしまった。本当に表情豊かな白獣である。自分に訊くなといいたいのだろうか?

白獣本人(あなた)なら知ってると思って」

「ふんッ」

「……ここ数日で一番大きな『ふんっ』をしなくたって……」

ちょびっとダメージを覚えた。カルロ自身は知らないのか、それとも長い説明になるから筆談を拒否しているのか――後者の可能性が高い気がしてきた。

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