平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「…………それは、一体どういうものなんですか?」

「白獣が、自ら全てを受け入れることを示して、騎士に忠誠の誓いを立てるものです」

「忠誠の、誓い……?」

「騎士が、仕える主君にするものと似ていますね」

言いながら、コーマックは片手を胸に当てて続ける。

「あなたを絶対に裏切らない、共に全力で戦って欲しい。――そう心から意思表示をし、相手の騎士が受け入れた時、初めて双方は魔力で繋がれるのです」

つまり、物理的ではない……?

しばし考えたところで、ようやく察せてリズは身体から力が抜けた。

「つまり結局のところ、タイミングはカルロ次第、というわけなんですね……」

「そういうことになりますね」

説明を終えるようにして、コーマックが一息挟んで座り直した。最後の緊張を解いたリズも、彼につられるようにして芝生の方へ目を向ける。

そこには、二頭の白獣がゆっくりしている姿があった。

「こればかりは、僕達やリズさんがどうこう出来る問題ではないので、団長と『彼』については見守っていくしかないですね」

「そもそもカルロは、相棒獣になる気はあるのかしら?」

「リズさん、相当苦労されていますもんね…………。こうして自らここへやって来てはいるので、相棒獣となることへ興味は抱いているとは思うのですが」

そうでなければ、セカンドコンタクトまであっさりとやって、リズを教育係りに選んだりはしなかっただろう。
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