平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
すぐには声も出ない様子だった。強く赤面したまま小さく震えている彼を見て、リズは、一体どうしたのだろうと心配になってしまった。
「副団長様……?」
その時、不意に悪寒が突き刺さった。
近くで聞こえた足音に気付いて、コーマックがハッと目を向ける。蛇に睨まれたような緊張感を覚えたリズも、咄嗟に言葉を切ってそちらを見た。
そこには、絶対零度の空気をまとったジェドがいた。
「副団長、コーマック・ハイランド――一体そこで何をしている?」
向かってくる彼の軍靴が、足元の芝生を踏み潰す。
「そもそも団員に女人がいないからといって、敷地内で『そういった行為』をすることは禁じているはずだが?」
冷やかに睨見下ろした彼が、低い声で言う。
表情が冷えきっていて考えが読めない。けれどリズは、どうしてか緊張で心臓がドクドクしてしまった。これまで見た時と違って『怖く』感じる。
二人して固まって動けないでいると、ジェドの目がすっと細められた。威圧感が増して、たったそれだけの仕草なのに息が詰まった。
「――いつまでリズの上に乗っているつもりだ、コーマック。今すぐどけ」
追って指摘されたコーマックが、ハタと我に返って慌てて身を起こした。そのまま親切にも手を差し出され、リズはその手を取ろうとした。
「ありがとうございます、副団長さ――」
そうしたら、不意にジェドが割り込んできて手を取られた。驚いている間にも引き起こされ、力強い腕が腰に添えられて立ち上がらせられてしまう。
「副団長様……?」
その時、不意に悪寒が突き刺さった。
近くで聞こえた足音に気付いて、コーマックがハッと目を向ける。蛇に睨まれたような緊張感を覚えたリズも、咄嗟に言葉を切ってそちらを見た。
そこには、絶対零度の空気をまとったジェドがいた。
「副団長、コーマック・ハイランド――一体そこで何をしている?」
向かってくる彼の軍靴が、足元の芝生を踏み潰す。
「そもそも団員に女人がいないからといって、敷地内で『そういった行為』をすることは禁じているはずだが?」
冷やかに睨見下ろした彼が、低い声で言う。
表情が冷えきっていて考えが読めない。けれどリズは、どうしてか緊張で心臓がドクドクしてしまった。これまで見た時と違って『怖く』感じる。
二人して固まって動けないでいると、ジェドの目がすっと細められた。威圧感が増して、たったそれだけの仕草なのに息が詰まった。
「――いつまでリズの上に乗っているつもりだ、コーマック。今すぐどけ」
追って指摘されたコーマックが、ハタと我に返って慌てて身を起こした。そのまま親切にも手を差し出され、リズはその手を取ろうとした。
「ありがとうございます、副団長さ――」
そうしたら、不意にジェドが割り込んできて手を取られた。驚いている間にも引き起こされ、力強い腕が腰に添えられて立ち上がらせられてしまう。