平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
リズはふと、先程の騎乗光景を思い出して嫌な予感を覚えた。そういえば、今、カルロは空を駆けられるのだ。
「あ、あの、私いきなり空を飛ばれるのは、ちょっと無理かもしれな――」
「よし。カルロ、なら遠慮はいらん。勢いを付けて上昇だ」
「ぅえ!? あっ、ちょ、ま――っ」
直後、カルロが勢いよく跳躍した。ぐんっと身体が揺れ、急上昇していく感覚にリズは下を噛みそうになって、びっくりして慌てて口をつぐんだ。
そのままカルロは穴から飛び出すと、木々を超えてぐんぐん上空を目指して空を駆けて行った。
眼前に広がる青空、どんどん小さくなっていく下の山の木々。
リズは、とうとうこらえきれなくなって「きゃーっ」と悲鳴を上げ、背中を後ろのジェドにぎゅっと押し付けてしまっていた
リズを後ろから見下ろしたジェドが、色鮮やかな青い目を「ふうん?」と瞬かせる。
「――ふはっ、これはこれで悪くないな」
珍しく彼が上機嫌な笑いをこぼした。それを聞いたカルロが、ほら見ろやっぱりな、と言わんばかりに、同じ様子で口許を引き上げて尻尾を機嫌よく振った。
リズは風の音がすごくて、よく聞こえなかった。
眼下には、山の緑、目の前には青い空が広がっている。
なんて高いのだろう、落っこちたらひとたまりもない……心臓もドキドキしていて頭の中の感想も煩かった。おかげで、下の方では何やら密猟グループの身柄確保の騒動が続いているようだったが、怖くて目を向けられない。
「あ、あの、私いきなり空を飛ばれるのは、ちょっと無理かもしれな――」
「よし。カルロ、なら遠慮はいらん。勢いを付けて上昇だ」
「ぅえ!? あっ、ちょ、ま――っ」
直後、カルロが勢いよく跳躍した。ぐんっと身体が揺れ、急上昇していく感覚にリズは下を噛みそうになって、びっくりして慌てて口をつぐんだ。
そのままカルロは穴から飛び出すと、木々を超えてぐんぐん上空を目指して空を駆けて行った。
眼前に広がる青空、どんどん小さくなっていく下の山の木々。
リズは、とうとうこらえきれなくなって「きゃーっ」と悲鳴を上げ、背中を後ろのジェドにぎゅっと押し付けてしまっていた
リズを後ろから見下ろしたジェドが、色鮮やかな青い目を「ふうん?」と瞬かせる。
「――ふはっ、これはこれで悪くないな」
珍しく彼が上機嫌な笑いをこぼした。それを聞いたカルロが、ほら見ろやっぱりな、と言わんばかりに、同じ様子で口許を引き上げて尻尾を機嫌よく振った。
リズは風の音がすごくて、よく聞こえなかった。
眼下には、山の緑、目の前には青い空が広がっている。
なんて高いのだろう、落っこちたらひとたまりもない……心臓もドキドキしていて頭の中の感想も煩かった。おかげで、下の方では何やら密猟グループの身柄確保の騒動が続いているようだったが、怖くて目を向けられない。