平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
一番好きなのはブラッシング。

それに続いて、顔を濡れたタオルで拭かれるのも好きみたいだった。待っている彼らのふわふわな尻尾は楽しげに揺れていて、リズは癒された。

「はぁ……本当に可愛い」

このミニマム白獣が、あの大きくて凛々しい戦闘獣になるなんて想像が付かない。獣騎士達の話によると、三段階の成長期ごとに一気に大きさも変わってくるのだとか。

「来年の春には、戦闘獣デビューだなんて想像出来ないわねぇ」

「みょん!」

「ふふっ、声だってこんなにかわい…………ん? そういえば狼タイプなんじゃ」

幼獣を両手で抱っこして眺めていたリズは、今更のように疑問を思い出す。持ち上げられた白いもふもふ幼獣が、嬉しそうに「みゃぅ!」と鳴いた。

「――うん。ま、いいか」

多分、人間で言うところの変声期とか、そういうのもあるんだろうと思う。白獣は幼い間、性別が出てこない珍しい種族でもあるので定かではないが。

幼獣達の顔をキレイにした後は、食後の胃を休ませるため彼らを眠らせた。

その間に使用したタオルと皿を洗うべく、リズは一旦、幼獣舎を出て本館の裏にある獣舎と合同の水場へと向かった。

辿り着いたところで、早速洗い物を始めるべく荷物を下に置いた。

そのまま袖をまくろうとした時、ふと、遠くから騒がしさが聞こえた気がした。

「何かしら……?」
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