平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
三章 獣騎士団でのモフモフライフ
ブラッシングの成功から数日、リズは引き続き教育係りとして奮闘した。
団長ジェドの予定相棒獣であるカルロは、なかなか素直に教育を受けてくれなかった。どうにか一日のルーティンは覚えさせることは出来たが、課題をこなさせるのは難しかった。
たとえば水浴びを拒否。食事の途中で獣舎を飛び出す。近くの相棒獣に飛び蹴りを入れにいく――……決められたルートを従い歩くのも嫌った。
与えられている集中教育期間は、一週間である。
出来る限りやろうと決めていたリズは、離れの一頭用の小屋に戻るたび、視線の高さを合わせるためにカルロに伏せの姿勢をさせて反省会を開いた。
「散歩コースを外れて、なんであっちに行こうとしたの」
『飛んでた鳥、バクッとしてやろうかと』
カルロは、しれっとした表情でガリガリと地面に字を刻む。
「ご飯食べた後だったのにバクリとしようとしたの!?」
『本能。仕方ない』
「鳥さんが可哀そうでしょう!」
リズは連日の奮闘で疲れて、怖さだとかも吹き飛んでいた。小屋内に敷かれている柔らかいチップの上で座り込んだまま、バシバシと手で叩いて主張する。
そもそも肉食獣である。
カルロは、ものすごく何か言いたそうな顔をした。
「一週間では、少しでも首輪をしなくてもいいようになるのが目標なのよねぇ……離れでは落ち着いてくれているからって、首輪と散歩紐が外れたみたいに」
リズは視線に気付かないまま、ふぅと息を吐いた。
それを紫色の目でじっと見つめていたカルロが、また一本の爪を出してガリガリとする。
団長ジェドの予定相棒獣であるカルロは、なかなか素直に教育を受けてくれなかった。どうにか一日のルーティンは覚えさせることは出来たが、課題をこなさせるのは難しかった。
たとえば水浴びを拒否。食事の途中で獣舎を飛び出す。近くの相棒獣に飛び蹴りを入れにいく――……決められたルートを従い歩くのも嫌った。
与えられている集中教育期間は、一週間である。
出来る限りやろうと決めていたリズは、離れの一頭用の小屋に戻るたび、視線の高さを合わせるためにカルロに伏せの姿勢をさせて反省会を開いた。
「散歩コースを外れて、なんであっちに行こうとしたの」
『飛んでた鳥、バクッとしてやろうかと』
カルロは、しれっとした表情でガリガリと地面に字を刻む。
「ご飯食べた後だったのにバクリとしようとしたの!?」
『本能。仕方ない』
「鳥さんが可哀そうでしょう!」
リズは連日の奮闘で疲れて、怖さだとかも吹き飛んでいた。小屋内に敷かれている柔らかいチップの上で座り込んだまま、バシバシと手で叩いて主張する。
そもそも肉食獣である。
カルロは、ものすごく何か言いたそうな顔をした。
「一週間では、少しでも首輪をしなくてもいいようになるのが目標なのよねぇ……離れでは落ち着いてくれているからって、首輪と散歩紐が外れたみたいに」
リズは視線に気付かないまま、ふぅと息を吐いた。
それを紫色の目でじっと見つめていたカルロが、また一本の爪を出してガリガリとする。