君とみたあの夏の流星群。

「あ、碧都!私、射的やりたい!」


「射的?まぁ、星祈がやりたいなら、付き合うけど……」


「うん、やってみたい!ほら、碧都早く行こう?」


私は、その場から離れたくて、碧都の手を引っ張った。


さっきはとっさに、射的をやりたい!って、言ってしまったけど。


よく考えたら……

小さい頃に、屋台の射的は、何度かやったことがあるけど、一度も的に当てられたことはなかったような気がする。


でも、やるからには当てたい!


『3回勝負だからね。ねぇちゃん、頑張りなー』


屋台のおじさんから、射的用の鉄砲を受け取って構える。


狙うは真ん中の棚に並べてある可愛いうさぎのぬいぐるみ。


「いけっ!」


───パンッ!


私が打った玉は棚のうさぎのぬいぐるみに当たることなく、後ろの壁に当たって落ちた。

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